ITエンジニアは、プログラミング言語を使ってさまざまなサービスを開発します。このようなIT技術は世界中で同じように使われており、海外移住する際にもこれまでのスキルを役立てることは十分可能です。
また、世界中でITの技術が年々注目を集めているため、日本以外に目を向けることで多くのチャンスに出会うことができます。
そこで今回は、ITエンジニアの海外移住について詳しく解説します。海外移住に必要なスキルやメリット・デメリット、海外移住するための具体的な選択肢も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
Contents
海外のITエンジニアの収入事情

海外移住を検討するうえで、もっとも気になるのが収入に関することではないでしょうか。いくらやりたいことができても、収入が低くまともな生活が送れなければ、「海外移住成功」とはいえないでしょう。
しかし、喜ばしいことに日本で働くITエンジニアが海外移住すると、年収が高くなる可能性があります。というのも、欧米には世界的に有名な大手IT企業が存在しており、日本よりもIT技術者の給与水準が高い国が多くあるからです。
人材派遣会社のヒューマンリソシアが世界71ヵ国のIT技術者の平均収入を調査したところ、Top10は以下のような結果になりました。
- スイス(10万53ドル)
- 米国(8万9161ドル)
- イスラエル(8万5131ドル)
- デンマーク(7万772ドル)
- パナマ(6万3318ドル)
- ノルウェー(6万1225ドル)
- ドイツ(5万9041ドル)
- オーストラリア(5万6994ドル)
- フィンランド(5万3673ドル)
- アイルランド(5万2338ドル)
(参考:IT技術者の平均年収、一番高い国は? 米国は2位 日本は……)
となっており、日本は20位で3万8337ドル(497万9401円*)となっています。1位のスイスを日本円に直すと1298万7080円*となり、平均収入に2倍以上の差が開いていることがわかります。
そのため海外のIT系企業で働くことができれば、日本で働くよりも収入を上げやすいと言えます。
*2023年1月29日時点のレート
ITエンジニアが海外移住する際に必要なスキル

ITエンジニアが海外移住する際、いくつか必要となるスキルがあります。日本での生活であれば問題ないことでも、海外ではうまくいかないこともあります。
海外移住を実行する前には、必ず以下のスキルを一定以上のレベルまで引き上げておきましょう。
ITに関するスキル
当然ですが、ITに関するスキルは必須です。
海外での就職活動や案件獲得には、所有スキルや携わった開発・実績、成果などをアピールすることが大切です。IT技術に関する資格を取得しておくと客観的なスキルの証明となり、有利に働くことがあります。
一方で、ITスキルが証明できなければ「エンジニアとしての実力がない」とみなされてしまい、不採用となる可能性もあります。自分のスキルを客観的に証明するためにも、世界共通の資格は取得しておくと良いでしょう。
海外で通用するIT関連の資格には以下が挙げられますが、どれも中級者以上になると高難易度になるため、しっかりした学習姿勢が大切です。
【海外で通用するIT関連の資格】
- AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト
- Google Certified Professional Cloud
- シスコ技術者認定資格
- CompTIA認定資格
これらの資格を取ることで収入アップにつながる可能性もあるので、積極的に取得を検討するのがおすすめです。
ITエンジニアが取得すると有利な資格の詳細については、別の記事で解説しています。
気になる方は、ぜひこちらの記事をご参照ください。
語学力(英語)
仕事をする上で言葉が通じなければ、周りと円滑に業務を進めることは難しくなります。当然、海外でITエンジニアとして働くのであれば語学力は必須です。
とくに世界中で使われている英語は、ビジネスで通用するレベルが求められます。日常会話ができることはもちろんですが、さらにレベルの高いビジネス英語とITに関する専門用語も知っておかなければなりません。
日本国内で有名な英語レベルの評価指針として「TOEIC」がありますが、ビジネスで通用する目安となるのは700点です。国内でもTOEIC700点以上に設定している有名企業もあり、グローバル人材を目指すのであれば必須レベルといえるでしょう。他にもIELTSやTOEFLなどの指標もありますので、自分の目標に合わせて勉強することをおすすめします。
業務上のコミュニケーションをとる目的の他にも、最先端の技術情報を手に入れるためには英語が必須です。常に新しい情報を仕入れて身につけていかなければ、ITエンジニアとしての成長が止まってしまいます。英語は、IT関連のスキルアップにも繋がる大切なスキルです。
コミュニケーションスキル
海外では、実生活と仕事の両方のシチュエーションにおいて、自分の意見をはっきり言う機会が多くあります。そのため、相手の言いたいことが理解でき、自分の言いたいことが伝えられるレベルのコミュニケーションスキルは欠かせません。
特にシステムエンジニアのようにコミュニケーションが重要視される職種の場合、言語の壁や人種の違いを理解したうえで、相手の要求を汲み取れる能力が必要になります。
一方で、プログラマーはコードを読み書きすることがメインの仕事であるため、システムエンジニアに比べると英語でのコミュニケーションの機会は少ない可能性もあります。
とはいえ、海外で生活をする以上、コミュニケーションスキルは必須です。住み慣れた日本とは違い、異国の地ではトラブルもつきもの……。緊急時に対応できるよう、最低限のコミュニケーションは取れる状態で海外へ行くことをおすすめします。
海外でITエンジニアになるための具体的な選択肢

ここでは、ITエンジニアとして海外で働くための具体的な選択肢を紹介します。
海外移住は今後の生き方を決定する重要な分岐点でもあるため、「どの選択肢が自分の人生にとってベストなのか?」を一緒に考えていきましょう。
海外のIT企業に就職する
1つ目は、海外のIT企業に就職する方法です。
応募するには、希望する企業にレジュメを提出し、面接を受けて雇用されるというシンプルな流れになります。
もっともわかりやすい反面、難易度は高い傾向にあるので注意が必要です。日本でのキャリアもしっかりあるエンジニアであればスムーズに仕事が見つかるかもしれませんが、「なかなか見つからない」という可能性もゼロではありません。
「現地に行けば、なにか求人が見つかるかも」という考えで現地で就職活動する人もいるかもしれませんが、職探しに加えて生活やビザの心配など、不安要素が増えやすいのも事実です。
なるべく海外へ行く前に、生活に必要な最低限の資金を稼げる仕事を見つけておくことをおすすめします。
海外に支社がある日本企業に就職・転職する
2つ目は、海外に支社をもつ日本企業に就職・転職して「海外赴任」という形で海外移住する方法です。
この方法であれば、日本にいながら海外移住へのルートが着実に歩めるため、安全な方法とも言えるでしょう。
同じように、日本に支社を置く外資系企業に就職する方法もあります。こちらもリスクはかなり低いので、事前に海外本社もしくは海外支社がどこにあるのかを調べておくとよいでしょう。
ただし、どちらにもいえることですが、海外赴任する人材は企業側が決めるため、海外転勤の希望は出せても実現するかどうかはわかりません。あくまで可能性に賭けることになるため、いつか短期間でも良いから海外に移住してみたいと思っている方向けの選択肢です。
フリーランスとして海外から日本企業の案件を受注する
3つ目は、フリーランスとして海外から日本のフルリモート案件を受注する方法です。
ITエンジニアは仕事ができる環境さえあればどこにいても働けるのが大きなメリットで、そのメリットを存分に活かせる方法ともいえるでしょう。
この場合は、日本に住んでいる間にフリーランスエンジニアになり、クライアントを見つけておくと安心です。海外に移住後に新しく案件が探せるようであれば、現地企業のリモート案件を探すのもよいでしょう。
ただし、日本のクライアントとそのまま仕事を続ける場合は、日本との時差を考えてクライアントとの連絡がスムーズに取れるように気をつける必要があります。
海外での生活に慣れてきた頃に、現地で新しいクライアントを探し、ゆくゆくは時差の問題も解決した働きかたを行うことも可能です。
ITエンジニアとして海外移住する時の注意点

ITエンジニアとして働くために海外移住するのであれば、いくつかの点に気をつけなければなりません。なかには法律に関わるものもあるので、事前に必ずチェックしておきましょう。
移住先の就労ビザを確認しておく
就労ビザとは、海外で報酬を得る活動(仕事)をするために必要な在留資格です。海外移住となれば、観光のように短期間ではなく長期間の滞在となります。長期滞在しながら働くためには、必ず就労ビザを習得しなければならないと各国で決められています。
国によって就労ビザが取得できる条件や滞在期間などの取り決めは異なるため、しっかり確認しておきましょう。ただし海外からのリモートであっても、日本企業から給与が支払われる状態であれば就労ビザは不要とされています。滞在する期間とやりたい仕事の状況に応じて、必要なビザを取得しましょう。
文化や生活水準の違い
海外で生活するとなれば、日本とは異なる文化に合わせなければならないシーンも多くあります。国によっては、全く違う文化で戸惑うこともあるかもしれません。
また、実際に現地に行ってみると、生活水準が違うことに驚く人もいるでしょう。日本より生活水準が高い国もあれば、低い国もあります。特に生活水準が低い国は、最初こそ「生活費が安くなってラッキー」と思うかもしれませんが、その生活に慣れなければ苦痛を感じるかも知れません。
海外移住は「日本ではない国に生活しに行く」とも言い換えることができるため、現地での生活がどのような感じかを事前によく調べておきましょう。まずは短期間だけ訪れて、海外移住のリハーサルを行うのも良いかもしれません。
当面の生活費を貯めておく
日本から海外赴任という形でない限り、収入の保証はありません。そのため、日本で働いているうちに、仕事を探す間に暮らしていけるだけの生活費を貯めておきましょう。
国によっては、海外移住でかかる渡航費や居住費、食費などが思っているよりも高くなることもあります。とくに物価が高い国であればできるだけ多く貯めておかなければ、「仕事を探している間に貯金がなくなった」という事態になりかねません。
貯金が減っていくのは精神的によくありませんし、何かの緊急事態が起こったときにすぐ対処できるように、余裕を持っておくことが大切です。
ITエンジニアに人気の国3選

ここでは、ITエンジニアとして移住する際に人気な国について、その国の特徴やメリット、デメリットについてご紹介します。移住先の国を選定する際の参考にしてみてください。
アメリカ合衆国
GAFAをはじめとした最先端のIT企業が集結しているアメリカ合衆国。
シリコンバレーやニューヨークなど、テクノロジーとビジネスが集中するエリアが存在しています。多様な企業やスタートアップが存在しているため、新たな技術に触れる機会が豊富な点が特徴です。
メリット:
- 高い技術水準と多くの雇用機会があるため、収入アップの可能性が高い。
- グローバルなネットワークを築くことができ、幅広いコネクションを得られる。
- 最先端の技術が集結しているため、IT関連のスキルアップには最適。
デメリット:
- 競走が激しい社会のため、実力を証明しなければならない。
- コストの高い都市が多く、生活費がかさむ可能性がある。
- 社会保険制度が整っていないため、万が一の時に備えておく必要がある。
カナダ
留学先にも人気のカナダは多文化社会で、国際的な環境が整っています。安定した経済と高い生活水準が魅力。昨今、テクノロジー産業の成長が見込まれており、投資が進んでいる点も特徴です。
メリット:
- ライフワークバランスが重視されており、仕事とプライベートを両立しやすい。
- 多様な文化を現地で体験しながらスキルを磨くことができる。
- 安全で住みやすい環境が整っており、家族を連れて行く場合にも適している。
デメリット:
- 一部の地域は厳しい気候条件があるため、対策が必要となる。
- アメリカと比べるとビジネス規模が小さく、仕事機会が限られることもある。
- 異なる文化や価値観が共存しているため、環境適用の柔軟性が求められる。
オーストラリア
豊かな自然環境とアウトドア文化が魅力的なオーストラリア。
IT分野が発達しており、ビジネス環境が整っています。昨今、スタートアップ業界も盛んです。アメリカ合衆国やカナダと同じく英語を公用語とする国であり、フレンドリーな人が多いと言われている点も特徴です。
メリット:
- ワークライフバランスが大切にされ、余暇を楽しむ機会が多い。
- 技術的な専門知識が求められる分野が多く、スキルアップが期待できる。
- 美しい自然環境での生活を楽しむことができる。
デメリット:
- 一部の地域は日本との時差が大きく、コミュニケーションに影響があることがある。
- 生活費が高い都市も存在し、予算管理が重要となる。
- IT分野での需要が高く優秀な人材が集まるため、求人市場の競争が激しい。
ITエンジニアが海外移住するメリット・デメリット

ITエンジニアが海外移住するメリットとデメリットは、以下のとおりです。
【メリット】
- 憧れの国で生活できる
- 収入アップが目指せる
- これまでの知識がそのまま活かせる
- レベルの高い環境で仕事ができる
- 近くの他の国へも気軽に旅行に行ける
海外移住することで憧れの国で生活できることが、もっとも大きなメリットでしょう。とくに、「子供の頃から海外で暮らしてみたかった」という人であれば、夢が叶うことになります。
また、国によっては日本よりもITやビジネスのレベルが高い場合もあり、移住が収入アップにつながることもあるでしょう。これまで培ったスキルや知識を活かしたまま、自分自身のレベルが高められるところもメリットとなります。
【デメリット】
- 実力がなければ厳しい
- イメージと違う可能性がある
- 仕事が見つからない可能性がある
ITエンジニアとしてのスキルや英語スキルがなければ、海外で仕事を見つけるのは難しいと考えられます。せっかく仕事を見つけたとしても、実力がないと判断された場合、解雇される可能性もあります。
また、いざ現地で暮らしてみると「日本で想像していた生活と違った……」と思うこともあるかもしれません。そのようなときに自分自身がその次にどうすべきかも、事前にイメージしておく方がよいでしょう。
ITエンジニアとして海外移住するなら『Bizlink』
ITエンジニアとして海外移住したいのであれば、フリーランスエージェント『Bizlink』の活用がおすすめです。Bilzinkでは幅広いジャンル・職種の案件を扱っており、スキルやレベルに合わせた案件紹介が受けられます。
Bizlinkで扱っている案件の多くは東京を中心とする企業で、エンド直のフルリモート案件も多数あり、高単価に期待できるのが魅力。日本で会社員として働きながら、副業としてフリーランスエンジニアをはじめてみるのもよいでしょう。
フリーランスエンジニアとしての土台を作っておくことで、スムーズな海外移住が可能になるはずです。登録は無料で、専任のコンサルタントにキャリアについての相談も可能です。
海外移住を目指しているITエンジニアは、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
ITエンジニアは仕事内容や働き方、さらに業務に必要なスキルが世界で共通している部分も多く、他の職種よりも海外移住しやすいといえます。しかし、ITエンジニアが海外移住することで、どのようなメリット・デメリットがあるのかを把握しておくことが大切です。
また、ITエンジニアの海外移住の方法は、就職や転職だけではありません。フリーランスとして日本や海外の企業からリモート案件を獲得することで、ITエンジニアとして好きな国で働けるようになります。
海外移住を検討しているITエンジニアは、本記事を参考に少しずつイメージを固めてみてください。
フリーランスの皆様こんな悩みありませんか?
- 今後の自分のキャリアに悩んでいる
- 自分の市場での価値を上げてみたい
- 独立できるか正直不安だ…
こんなお悩みはBizlinkで解決しましょう!