​​リスキリングには補助金が出る?!経済産業省の支援をうまく活用しよう!

近年、多くの職種でITは切っても切れないほど重要な役割を果たしています。また、働き方やキャリアの幅が広がっていることもあり、より「個人の能力」が求められるようになりました。

そのため、これまでにはないスキルの習得が必要になったり、さらなるキャリアアップのために勉強を始めたりと、新しい技術や知識を学ぶ人も増えています。

そんななか、経済産業省では日本のITレベルを高めるための支援事業をおこなっています。働きながら新しいスキルを習得するのは簡単ではありませんが、「支援金や補助金が出るのなら取り組んでみたい」と思う人も多いのではないでしょうか。

本記事では、経済産業省が実施している、リスキリング(スキルの学び直し)の支援事業制度をはじめ、自治体が主体の補助金制度について紹介します。

※なお、本記事で紹介しているキャリアアップ支援事業は2023年10月時点の情報です。今後内容が変更となる可能性は十分ありますので、詳細については経済産業省が公表する最新情報をチェックしてください。

経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」とは?

経済産業省では、DX促進のためにIT系のスキルアップを主にしたキャリアアップ支援事業をおこなっています。

この事業の大きな目的は、リスキリングによる転職やキャリアアップを円滑にするための体制を整えることです。公募による補助事業者から、下記のサービスが受けられるよう体制を整備しています。

  • キャリア相談
  • リスキリング(講座の受講)
  • 転職支援

一定の条件を満たすと最大56万円のサポートが受けられるため、リスキリングでキャリアチェンジ・キャリアアップを目指す場合は、とてもお得にサービスを活用できるようになります。

対象となるサービスにはデジタル系だけなく、介護職や医療・福祉系などいくつかの分野があります。

「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の制度が活用できるサービス例

「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」で利用できるのは、経済産業省によって採択された企業のサービスのみです。

そのため活用できるサービスは決まっており、採択事業者以外のサービスを活用しても補助金のメリットを受け取ることはできません。

なお、2023年時点で制度の対象となる採択事業者やサービスの例として、一部を以下に挙げてみます。(IT系に限定)

【デジタルハリウッド】

対象となる分野はWebデザイナー、エンジニア、ゲーム、アニメなど。在学中からの実務経験が積めるリスキリングを提供

【株式会社SAMURAI】

未経験からでもIT業界への転職やエンジニアが目指せるプログラミングスクール。キャリア相談からスキル習得、転職サポートまで一貫したサービスが受けられる

【スキルアップAI株式会社】

ITエンジニアとして働いている人を対象に、AIエンジニアへのキャリアチェンジを支援。専門性の高い講座が充実しており、リスキリングで周囲との差別化を目指せる

さらに他の採択事業者を確認したい人はこちらから

リスキリングの補助金は個人でも利用できる?

経済産業省が実施するキャリアアップのための支援事業は、個人でも利用することが可能です。

プログラミング未経験者がエンジニアを目指したり、ベンチャー企業へのキャリア相談・実務経験を積めるプログラムに参加できたりと、希望に沿ったサービスを選択できます。

ただしここで注意したいのが、この事業では個人が直接補助金を受け取るのではないということです。

補助対象となるのは事業に参画する事業者のため、利用者として無料もしくは費用の一部が補助された形でサービスを利用することになります。

年齢や性別による制限はありませんが、「転職が前提」となる点に注意が必要です。なお、この支援制度を使って転職し、継続的に働くことができれば、最大56万円の補助が受けられることになります。

具体的な支援内容は、次のとおりです。

  1. 講座の受講修了:受講費用の1/2の金額(MAX40万円)
  2. リスキリング講座の受講を経て転職、1年後就業が確認できた場合:講座の受講費用1/5の金額を追加補助(MAX16万円)

リスキリングが注目される背景

そもそも、なぜ今リスキリングが注目されているのでしょうか?その背景にあるのは、「世の中の変化」が関わっていると考えられます。

言葉だけ聞くと大げさに聞こえるかもしれませんが、IT技術の進歩によって、さまざまなことがこれまで以上の早さで変化しています。

そのなかには生成AIやディープラーニングなどの最新技術がもたらす、新しい職種の誕生や働き方の多様性などが挙げられます。

日本は世界でもDX化に遅れを取っており、DX人材不足が圧倒的に不足している状況です。

そこには、企業のDXに対する理解や社員のDXリテラシーの低さなどが深く関わっており、国を上げてスキルを高めてDX化を促進したいということが、狙いの1つにあります。

リスキリングはあまり浸透していない?!

日本では、2020年頃から「リスキリング」という言葉が使われはじめました。「リスキリングとは ―DX時代の人材戦略と世界の潮流―」の調査によると、2021年頃からGoogleでの検索数が増え、一般的に浸透し始めたと考えられます。

しかし、リスキリングの取り組み率を調査した機関によると、

  • リスキリングに取り組んでいる企業:約4割
  • 取り組んでいない企業:約5割

という調査結果もあります。(残りの1割は「わからない」と回答)

大手企業ほどリスキリングを実施している割合が多く、企業規模が小さくなるほど実施企業の割合は少ないとのこと。中堅・中小企業での取り組みは約3割程度との結果で、順調に浸透しているとは言い切れないのが現状です。

(参考:リスキリングとは~メリット・導入ステップ・注意点を総解説

なお、リスキリングの基本については別の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

リスキリングとリカレント教育との違い

リスキリングと似た言葉に、「リカレント教育」というものがあります。経済産業省ではこの2つの言葉を以下のように位置付け、違うものとして定義しています。

  • リスキリング:DX化による変化に対応できる人材育成、業務に必要なスキルを習得する
  • リカレント教育:社会人が仕事と教育を繰り返すこと、離職を前提とする

わかりやすい違いとしては、リスキリングは業務に必要なスキルを在籍しながら学べるのに対し、リカレント教育は一旦職を離れて学び直しのサイクルを回すという点です。

リスキリングは、企業が社員のスキルアップのために環境を整えることも含まれるため、「個人で勉強する」というものだけを指す言葉ではありません。

また、趣味などの興味関心で何かを学ぶことはリスキリングには該当せず、あくまでも業務で必要なスキル習得に限ります。

リスキリングはITエンジニアのキャリアアップにも有効

すでにITエンジニアとして働いている場合、日々の業務に加えて勉強の時間をとるのは簡単なことではないと思います。しかし、変化の早いIT業界で必要とされる人材でいるためには、今後どのようにスキルアップしていくのかが重要なポイントとなります。

経済産業省が実施するリスキリングの支援金制度は、直接個人に戻ってくるものではありません。しかし、キャリア相談が無料で受けられたり講座の費用が一部軽減されたりと、活用するメリットはとても大きいと言えるでしょう。

経済産業省以外が実施するリスキリングの補助金・助成金

リスキリングに活用できる補助金や助成金の制度は、経済産業省以外でも実施しています。

経済産業省が実施するキャリアアップ支援事業は転職が前提=正社員を前提とするものですが、なかには、フリーランスとして活動する個人事業主でも受けられる補助金もあります。

厚生労働省の管轄となる「教育訓練給付金」では、雇用保険制度の1つとして労働者の能力開発やキャリア形成につながる支援をおこなっています。

講座を受講して資格を取る環境を提供することで転職の促進となるなど、雇用の安定を目指すことを目的としています。

教育訓練給付金には3つの種類があり、厚生労働省が指定する講座の受講にて費用の一部が支給される仕組みとなっています。

どの訓練も個人のキャリアを高めるために支給される制度で、IT系以外にも医療・福祉系、看護師、保育士など15,000以上の指定講座が用意されています。

レベルに応じて対象講座の内容や給付率、上限額などが異なるため、受給資格があるかを確認したうえで有効活用しましょう。

①専門実践教育訓練

専門実践教育訓練は、専門性の高い資格の取得や、ITSSレベル3相当以上のIT関係資格取得講座、「第四次産業革命スキル習得講座」が対象となります。受講開始前にハローワークなどで実施されている、キャリアコンサルティングを受ける必要があります。

給付率は最大で受講費用の70%(年間上限56万円)が支給されます。受講開始時の就業状況や年齢などによって、別途給付金が支給されることもあります。

②特定一般教育訓練

特定一般教育訓練は、スムーズな再就職を希望する人や早期のキャリア形成を対象としています。講座はITSSレベル2相当以上などの資格取得を目標とするものがあり、こちらも事前にキャリアコンサルティングを受けなければなりません。

なお、特定一般教育訓練の給付金は受講費の40%、上限が20万円となっています。こちらも対象者となるにはいくつかの要件を満たさなければならないので、ハローワークにて確認が必要となります。

③一般教育訓練

上記2つに該当しない対象者や要件の場合、こちらの一般教育訓練の給付金を受け取ることが可能です。支給される金額は受講費用の20%、上限10万円となっていますが、4,000円未満の場合は該当しません。

なお、講座受講前のキャリアコンサルティングや受給資格確認は不要です。

ここまで紹介してきた教育訓練給付制度の3つの教育訓練が受けられる講座は、こちらのサイトから検索できます。

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キャリアアップは企業で働くITエンジニアだけでなく、将来的にフリーランスを目指したいエンジニアや、すでにフリーランスエンジニアとして活動している人の年収にも深く関わる要素の1つです。

とくにフリーランスエンジニアには即戦力が期待されているため、スキルを高めることは年収をあげることに直結するといっても過言ではありません。しかし、フリーランスとして独立するエンジニアの中には、高いスキルがあっても営業がうまくいかず、条件のよい案件を獲得できない人もたくさんいます。

そのため、希望条件にあう案件を見つけたいのであれば、フリーランスエージェントを活用することをおすすめします。フリーランスエージェントの『Bizlink』では、個人では獲得が難しい大手企業の案件なども扱っており、高単価な案件も多くあります。

専門のキャリアコンサルタントが在籍しているため、将来のキャリアを見据えた案件探しが可能になります。リスキリングでスキルを高めつつ参画できるプロジェクトもあるので、ぜひ以下のリンクから登録後にチェックしてみてください。

まとめ

ますます変化スピードが早まる今、業務や働き方に対応できる高度なスキルが求められるケースも少なくありません。とはいえ、スキルアップは1日、2日でできるものではなく、ある程度の時間がかかるものです。

日本企業でのリスキリングの浸透率は決して高くありませんが、だからこそ周囲と差をつけられるチャンスとも言えるのではないでしょうか。国や自治体などが実施する補助金制度があれば積極的に活用し、より市場価値の高いIT人材を目指しましょう。

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